溺愛ドクターは恋情を止められない
「あの、入院中は個室を手配していただき、ありがとうございました」
さっきは驚きすぎてお礼を言えなかった。
「いや、こちらこそ。大切な患者を守ってくれて、ありがとう」
お礼まで言われて、恐縮してしまう。
「緊張しなくていい。こっちに座りなさい。高原君も」
院長は私達を促し、ソファに座った。
「失礼します」
奏多さんが私をチラッと見つめてから、ソファに座り、私も隣に座った。
「高原君に聞いていたところなんだが、君達は付き合っているんだって?」
そんなことが、院長の耳にまで入っているの?
驚いて奏多さんを見つめると、「はい」とはっきり答えてくれた。
「誤解しないで。ダメだと言っているわけじゃない。私の妻も、以前医事課にいたんだよ」
「そうなんですか?」
驚いて、思わず声をあげてしまった。