溺愛ドクターは恋情を止められない

「あぁ。子供が生まれて辞めてしまったんだけどね」


院長は私の想像していた人とは違った。
もっと偉そうにふんぞり返っているのかと思いきや、私達と変わりないように見える。


「ただ……」


困ったような顔をして口を開いた院長は、高原先生に視線を送る。


「小柴部長ですか」

「そう、だ」


奏多さんがそう聞いたとき、私の懸念していたことが当たっていたと確信した。
小柴部長の娘である酒井先生と別れたのだから、怒っているに違いない。


「君達は、真剣に付き合っているんだね」

「もちろんです」


「そりゃそうか」と笑う院長は、あごに手を当て私を見つめる。


「高原君は、腕もいい。将来、この病院を背負って立つほどのドクターになると、私は期待している」
< 333 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop