溺愛ドクターは恋情を止められない

「あぁぁっ……」


それでも一層動きを速めた彼は、私を強く抱きしめたまま、果てた。


「はぁっ、はぁ……」


大きな呼吸を繰り返す奏多さんは、私を抱きかかえて離さない。
そして、もう一度唇を覆う。

幸せすぎて涙がこぼれる。
すると彼は、その涙を優しく拭ってくれた。


「悲しいときや辛いときは、交感神経が活発になる。そうすると、アドレナリンやノルアドレナリンが活発に作られるんだ」


それはなんとなく聞いたことがあるけれど……。


「だけどそれらは、実は猛毒なんだよ」

「毒、ですか?」

「うん」


毒が作り出されていなんて、ちっとも知らなかった。


「涙は副交感神経を強力に誘導する働きがある。だから辛いときは涙が流れ、毒を消すんだ」


涙にそんな作用があるとは知らなかった。
人の体の不思議に、驚くばかり。
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