先生…ダメ?

「ほら、送ってくから帰るぞ。」

ふと時計を見ればもう8時だ。

時間が経つのは早すぎる。

「うん。」

木村はチェックのマフラーとピンクの手袋、白い耳あてをそそくさと付けている。

寒がりだなコイツは。

木村の準備が終わったのを確認し、車のキーをポケットから出した。

ちゃらちゃらと音を立てて教室を出ると、後ろから着いてくる。

犬みたいだな。
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