桜の下で、君を想う。
そのページには確かに絵美の筆跡で、


拓へ

出会えて本当に良かった。

拓はいつも私の希望だったよ。

いつまでも私のことを思ってくれるのは嬉しいけど、拓はちゃんと彼女を作って、いい奥さんをもらってください。

そのままだと一生独身だよ?

大好きです。

今も昔も。

絵美



と書かれていた。


もう泣きはしない。

あの日、あの病室で、涙は乾いた。

「絵美、こんなこと言われて忘れられるわけないだろ・・・。本当にお前を愛してるのに・・・。絵美、ありがとう。俺も、大好きだ。昔も今もな。」

そう呟いた俺の言葉を、風が彼女のもとに、もしかしたら運んでくれたかもしれない。




The End
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