勇者様と恋人宣言―アラサー勇者は恋がしたい―
一頻りやることをやった私は、化粧も涙でグシャグシャになった顔を洗うため、洗面台に向かうことにした。
廊下は早朝と言うこともあり、しんとしている。
「それにしてもやらかしてしまった」
思い出せば出すほど、後悔と吐き気が込み上げてくる。
せめて記憶が飛ぶくらい飲んでいれば、まだ幾ばくか気分は楽だった。
しかし、まるっと全てを覚えているのだ。
「あー、もう!なんで!あんなことしちゃったのよ!!うっ!」
叫ぶと吐き気が余計酷くなる。
慌ててトイレの方へ進路を変え、走った。
そして、すぐにトイレのドアノブに手をかけ、捻る。
「うるさい!寮の中でなにやっているのよ!」
刹那、右側から枕が飛んでくるのが見えた。
避けていたら間に合わないのは必至だ。
「フ、ファイヤ!」
素早く右手をかざし、呪文を唱える。
右手から炎が飛び、空中で枕は消えた(と思う。ぶつからなかったから。)
そして、我ながら惚れ惚れとする早さで、トイレに滑り込む。
セーフ!
トイレに昨日の後悔を吐き出すことに成功した。
間に合って、本当によかった。
これ以上失態を重ねるわけにはいかない。
そう思いながら、私はトイレとお友達になったのだった。
廊下は早朝と言うこともあり、しんとしている。
「それにしてもやらかしてしまった」
思い出せば出すほど、後悔と吐き気が込み上げてくる。
せめて記憶が飛ぶくらい飲んでいれば、まだ幾ばくか気分は楽だった。
しかし、まるっと全てを覚えているのだ。
「あー、もう!なんで!あんなことしちゃったのよ!!うっ!」
叫ぶと吐き気が余計酷くなる。
慌ててトイレの方へ進路を変え、走った。
そして、すぐにトイレのドアノブに手をかけ、捻る。
「うるさい!寮の中でなにやっているのよ!」
刹那、右側から枕が飛んでくるのが見えた。
避けていたら間に合わないのは必至だ。
「フ、ファイヤ!」
素早く右手をかざし、呪文を唱える。
右手から炎が飛び、空中で枕は消えた(と思う。ぶつからなかったから。)
そして、我ながら惚れ惚れとする早さで、トイレに滑り込む。
セーフ!
トイレに昨日の後悔を吐き出すことに成功した。
間に合って、本当によかった。
これ以上失態を重ねるわけにはいかない。
そう思いながら、私はトイレとお友達になったのだった。