死んでもずっと友達だよ
「ごめんください」




和也は声を大きくして、そう言ったが、家の中から返事はなかった。




「やっぱり誰もいないのかしら?」




「いや、たぶん誰かいるよ。

奥の方からテレビの音が聞こえるから……」




和也にそう言われ、私が耳を澄ますと、たしかに奥の方からテレビの音が聞こえてきた。




〈 和也の言うとおりだわ。

だとしたら、誰かがこの家にいるはずなのに…… 〉




私はそんなことを考えながら、夏希の家の廊下を見つめていた。
< 126 / 351 >

この作品をシェア

pagetop