死んでもずっと友達だよ
「ごめんください。

誰かいますか?

ごめんください」




和也がさっきよりも声を大きくしてそう言うと、家の奥の方から戸が開く音が聞こえてきた。




〈 やっぱり夏希のお母さんは、家にいたんだ。

私は夏希のお母さんに、何か夏希のことを聞けるかしら?

夏希はなぜ、自殺したのか?

夏希は何に絶望していたのか? 〉




私がそんなことを期待しながら玄関に立っていると、夏希の母が真っ赤な顔で、ヨタヨタと体を左右に揺らしながら、私たちの前に現れた。
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