こんな私、私じゃない。でも私・・・
その後、三人で駅まで向かいながら早川さんが今野君が知り合いで専務が連れて行ったことも説明してくれて、早川さんは専務に電話をかけて行き先を確認し、「後はお二人で」なんて言いながらその場を後にした。

「ご飯どうする?」

すぐるに普通にそう問いかけられた。

「いいの?」

「なにが?」

「ご飯一緒に食べてくれるの?」

すぐるは怒ってないのかな?

「どうして?」

「怒ってないの?」

「何に?」

何にって・・・わかってるくせに・・・

「イジワル・・・」

私が俯いたと同時にすぐるは手を頭に置いた。

「怒ってはいないけど、少しムカついてる」

「それって怒ってるって言うよね?」

顔を上げると手が離れた。

「今日、何を食べる予定だった?」

「まだ決まってなかったから」

「じゃオムライス」

オムライス?

食べに行くの?

「作って」

そう言うと歩き出し改札を抜けた。私は慌てて追いついた。

「自信ないけど、美味しいって言ってくれるの作れるようにするね」

私は笑みを浮かべてすぐるを見上げた。

「・・・ホントに・・・」

何か言いたげにすぐるが私の顔を見たが、その後は何も言わなかった。

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