こんな私、私じゃない。でも私・・・
人事が使用する物はそのままに私は私物を片づけて同じフロアの経理の席に落ち着くことになった。

同じフロアだけど、人事と経理では雰囲気が違う。

「神村さん、よろしくね。緒方さんから引継は少し受けてるって聞いてるけど、暫く指示は僕からすることになるから」

と、隣の席の近藤主任が私が落ち着くのを「待ってました」という感じで話しかけてきた。

「はい、簿記を持ってるっていうだけでここにきたので、不安しかないのですが、こちらこそよろしくお願いします」

立ち上がり深々と頭を下げた。

ホントに大丈夫だろうか?

不安しかない。

「いやいやそんなに深々と頭下げられたらこってまで下げたくなるよ」

近藤主任まで立ち上がり、「よろしくお願いします」と、頭を下げられた。

お互いに少し笑顔になり二人で座った。

「神村さんは表計算とか得意?」

表計算・・・「電卓のお化け」と、何かの本に書いてあったことがあり私はその言葉がとても気にいって相当勉強した。

「得意とまでは言えませんが好きです」

奥が深すぎて得意なんて口が裂けても言えない。でも単純に好きだ。

「じゃ良かった。よく使うから大丈夫そうだね」

と、近藤主任はホッとしたようだ。

どんなことを言われるのか不安でしょーがない。

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