こんな私、私じゃない。でも私・・・
男と女の気持ち
弘樹から電話があったのは三日後だった。

―――美沙姉、今大丈夫?

すぐるが弘樹と一緒に飲みに行くと言ったので今日は自分の家に帰って来ていた。

「大丈夫だよ。すぐると飲みに行ってたんでしょう?」

―――行った帰り。

時計を見ると11時半になろうとしていた。

「楽しかった?」

―――楽しかったよ。あんなに日本酒を楽しく飲めたの初めてかもしれない。

「そう?よかった。で、どうしたの?」

―――引越ししてすぐるさんと一緒に住むってホント?

この間は「新城さん」と呼んでいたのに名前で呼ぶんだ。

「うん」

すぐるが言ってくれてよかった。

直接はやっぱり恥ずかしい。

―――同棲とかじゃなくて結婚しちゃったら?

そう言われて私は沈黙した。

それは・・・

「なっ何言ってるの?結婚なんて話は出てないから」

―――なんで?したくないの?

「そうじゃなくて・・・弘樹・・・私ね、すぐるが好きなの」

―――そんなの見てたらわかるよ。それなら同棲より結婚の方がよくない?

「そういう問題じゃないでしょう?」

―――そうかなぁ~?

そう言うと弘樹は少し考えていたのか間を置いた。


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