こんな私、私じゃない。でも私・・・
「嘘ってなんだよ。でも今のは仮ね。正式はもっとちゃんとする。その時が来たら・・・」

仮?正式?

その時って・・・

「仮?」

すぐるは私の声に手を解いて、向き合ったまま話しを始めた。

「そう仮。美沙は全くわかってないよね、何回もそれとなく言ってるつもりなんだけど・・・気がついたら美沙が隣にいないなんてイヤだから・・・俺の意思をわかっててほしい。そういうつもりでいるから・・・」

「えっ?すぐるは・・・ しない人だと思ってた。だから・・・」

だからずっと・・・

それとなく言われた言葉の数々、どういうつもりで言っているのかと思ってた。

でもすぐるはちゃんと・・・

どうしよう・・・

涙が溢れた・・・

この涙は純粋に嬉し涙。

溢れだす涙を隠すために手で顔を覆った。

「どうして、泣くことがある?」

私が覆った手を解いてすぐるはそれぞれの手を握りしめた。

「だって・・・望んだら・・・ダメって・・・思ってたから・・・」

溢れてくる涙は心からの嬉し涙。

「なんで?」

「だって、一緒に暮らすことがすぐるとの最大だと思ってたから・・・」

すぐるは結婚しない人だと思ってた。

元カノと別れた理由を聞いた時にそう思った。

だから多くを望めない。

「最大って・・・一緒に暮らすことが最大?」

すぐるが少し怒った口調になった。
< 207 / 214 >

この作品をシェア

pagetop