こんな私、私じゃない。でも私・・・
新城さんとはその後何もない。もう2週間程過ぎていて電話も掛かって来なくなった。

そんな頃に休憩室にいた営業部の4人組が話をしていた。

新城さんの噂。

“同じプロジェクトチームの楠木さんと付き合ってるらしいよ”

今まで新城さんの噂で個人名が上がることはなかった。彼女はいるらしいってことくらい。もちろん、私との噂も上がるはずもなかった。

楠木さんって確か楠木千里さん、営業所のサーバー管理の情報システム課の人。あっそっかあの人がそうなんだ。

あの人が誰なのか気になっていたから、これでようやく解決した。

私はそんなことを思っていた。

“えっでも楠木さんとは付き合ってはいないんじゃない?新城さんは別に付き合ってる人いる。って聞いたことあるよ”
“なんでそんなこと知ってるの?”
“実は私、新城さんいいなって思って聞いてみたの。そしたら‘いるよ’って言ってた”
“それが楠木さんだったんじゃないの?”
“違うと思うな。それにプロジェクトチームが立ち上がる少し前の話だし”
“ちょっといつから新城さんのこといいと思ってたのよ”
“入社当時から”
などと、話しをしていた営業部の子はまだ20代前半の入社2年目。

若いっていいなと、心の中で思った。

新城さんの言ったその付き合ってる人は誰なんだろう?

今の私には関係ないか。


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