こんな私、私じゃない。でも私・・・
「神村は仕事、順調?」

信号待ちをしているところで今野君が訊ねてきた。

「うん。割りと楽しく仕事してる。今野君は?」

信号が青になって渡り始めた。

「俺?まっ俺もそれなりに楽しんでるかな。でも住谷にいるとはね」

この間仕事の話しした時も会社名までは言ってなかった。

「どうして?」

「新卒で入ったの?」

「中途、まだ2年目。割りと中途採用多いの」

「へぇー、じゃああのビルに用事がある時はご飯誘ってもいい?」

頻繁に来てるのかな?金曜日はダメだけど、他の曜日ならいいかな。

「あっうん。金曜日はダメだけどね」

すぐると過ごす週末は私の何よりも大切な時間。

「金曜日?習い事とか」

なるほど、そういう発想もあるのか。

「彼氏と過ごすから」

彼氏と言える喜びをまた一人で感じつつ、自分が「彼氏と過ごすから」なんて言ってることに少し驚いた。

私ってこんな感じだったかな?

すぐるとの付き合いは私に取って今までと違うのだろう。

何が違うのかと考えると自分の心なのかと思ったりする。心が満たされてる感じがするからかな・・・今までに感じたことがないのかもしれない。

「あっなるほどね。じゃ違う曜日で」

今野君の言葉に我に返ったらちょうど新しく出来たハンバーグ屋さんに到着した。
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