こんな私、私じゃない。でも私・・・
「食べてる時の幸せそうな顔、高校の時から変わってない」

高校の時?

「どこか食べに行った記憶とかないけど?」

「どこかに行ってはないよ。でもお弁当食べてる時とか、パン食べてる時とか・・・神村ってメロンパン食べてる時が一番幸せそうだったな」

そう言われて目を見開いて今野君を見つめてしまった。

今野君はそんな私を見て笑っている。

確かにメロンパンが好き。

「見てないでよ」

と、あまりにも恥ずかしくてもう15年くらい経ってることを今更言っていた。

「彼氏とは順調?」

さっきまで笑っていたと思ったのに真顔で突然言われた。

「あっうん。幸せ」

今野君に言うことじゃないけど、誰かに言いたくて仕方がない。

「そう、それなら良かった・・・俺みたいになるなよ」

と、付け足した。

「もう少し考えた方がいいよ。結婚したいと思った彼女でしょう?話し合いは必要だと思う」

「話し合いが大切なのはわかってるけど、違うんだよ。今までだってズレてた部分を頑張って埋めて来てたから・・・合わないって言えばそれまでって感じで難しいよ」

そんなもんかな?

「よく考えた方がいいよ」

もうこのことについては言わないでおこう。

いくら言っても意味がない。

今野君の中ではどうやって別れようと考えを巡らせているような気がしていた。
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