こんな私、私じゃない。でも私・・・
「美味しかった?」

「美味しかったよ。商店街の手前に出来たハンバーグ屋さん知ってる?」

「ああ、最近出来たとこ?」

「そうそう、行ったことなかったから・・・」

「そうか、じゃ今度ハンバーグ作って」

えっ!?

一緒に食べに行こうかって言われるのかと思った。

「いいよ。私が作るでいいなら土曜日作るね」

何度かすぐると一緒にキッチンに立ったけど、私ひとりで作ったことはなかった。

「金曜日は残業予定?」

「予定はないよ」

「じゃ金曜日に作って待ってて」

えっ!?

「営業所に行かないといけなくて遅くなるから・・・」

そうなんだ。

また楠木さんと行くのかな?

そんなことを一瞬で考えたけど、関係ない。

「いいよ。じゃ作って待ってる」

ちょうど信号待ちだったので、隣のすぐるを見て微笑んだ。次の瞬間、軽くキスをされた。

驚きすぎて、固まってしまった私。

「ほらっ行くよ」

信号が青になりすぐるに促されて歩き出す。

「どうしたの?」 

と、にやりとした顔ですぐるに顔を覗かれた。

もう・・・不意打ちのキス・・・

甘すぎる・・・

その日、私はすぐるの腕の中で眠った。

次の日が仕事の時はあまり泊まらないけど、泊まった時に困らないように服は最近置き始めた。

こうやって 泊まっても慌てない。

この家に私の物が増えていく。
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