愛して。Ⅲ
「星に那覇の那で星那。それがお前の名前だな?」
「な……なんで知って」
「星那、帰りたくねえならここに置いてやる。でも、ここにはここのルールがあるからな」
蓮はどこから聞いてきたのか、男の子の名前を口にした。
星那。綺麗な銀の瞳をもつその子にぴったりな名前だと思った。
「お前が守るべきルールは一つだけ。自分でできることは自分でする。いいな?」
「……わかった」
星那は納得いってないような表情だったが、はそういって頷いた。
その様子を見守りながらも、あることを思い出し声を上げる。
「あ!そうだ!」
星那にできる限り穏やかに笑いかけた。
「スープ、作ったんだけど飲む?」
星那が小さく頷いたのをみて、さらに笑みを深める。
スープを器に入れ、スプーンと共に差し出すと、星那はちびちびと飲み始めた。
そうして、あたしたち獅龍と星那の生活が始まったのだった。