ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]



「見知らぬ女の子……?」



夏樹の顔にグッと自分の顔を近づけたあたしは、コクコクとうなずく。



夏樹の瞳を真っ直ぐに見つめて、その答えを待った。



「うーん……覚えてないなぁ」



……そうだよね。



何回もひまわり畑に行ったことがあったら、よっぽど記憶に残る何かがないと思い出には残らない。



しかも7年も前の話。



あたしにとっては初恋で、困ってるところを助けてもらったから鮮明に覚えているだけであって、



あのとき出逢った男の子、“ナツキくん”にとっては、



あたしのことなんて何の記憶にも残らない話かもしれない。



高校生になって、たまたま“ナツキ”という名前の男の子に出逢って、



その彼があのひまわり畑に行ったことがあるというだけの話だ。



きっと違う……。



別の人だよ。



あの男の子が夏樹なわけない。



「覚えてることっていえば、確か売店のソフトクリームがすっごくうまかったっていうくらいだな」



夏休み。

ひまわり。

ソフトクリーム。



“ナツキ”という名前。



そう、これは。



たまたま偶然が重なっただけの話。



「そんで、彩葉の初恋話の続きは?なんかひまわり畑が関係あんの?」
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