あの日の雪を溶かすように
お母さんは お父さんと けんかしてた。 
泣かないで。
お母さん。 大好きだよ。 
二人で ずっと幸せに暮らそう?
他に なんにも いらないよ。



…なんで?

ずっと ずっと待ってたのに

寒い夜を 信じてずっと待ってたのに

あなたは来なかった。

電車の音と 急いで買ったあなたへのプレゼント

馬鹿みたい 

クリスマスって これだから キライだ


「だから…」 さよなら 「…なんスよ!」
…え?「いや…手首の捻挫だけみたいっすけど…」
何?

「はい…意識がないってわけじゃ…はぁ…」

うるさ……!?


「!」

アリスはいきおいよく状態を起こした。ガバッという音が聞こえてきそうなほど。

「うおッ!!?」

同時にベッドの横で電話していた女性が女性らしからぬ声で驚いてみせた。
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