あの日の雪を溶かすように
机の上を片付けて、ゆっくりどかすと、
次にアリスは葵に布団をかけてあげた。こんなことをしてる自分が、
なんだかすごく滑稽に見える。

「…馬鹿ちん。」

小さく呟いて、アリスは電気を消した。
それから、小さな座椅子に腰掛けて、毛布をかけると、
目を閉じた。


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