BLUE
大学三年生、春
顔もスタイルも標準。
人並みに恋はしてきたものの、
周りの容姿端麗な女の子たちには
どう頑張っても到底勝てるわけもない。
ただ一人で恋を始めてみても、
静かに心の中で終わりを告げる。
そんな自分が嫌いでしょうがなかった。
でも一人だけ、
私をまっすぐに見てくれる人がいた。
守ってくれる人がいた。
一番に信じてくれる人がいた。
もしあの頃に戻れるなら
あなたの手を強く握るだろう。
痛いほど強く、そして優しく。
ねえ翔太、もう一度会えるなら
私のことを好きになってくれますか?
あなたは今誰と笑いあっているの?
あなたは今誰を愛しているの?
私達が大好きだった青空を見上げては
そんなことを考え、ため息を漏らす。
大学三年生、春。