青い春の真ん中で
素肌がくっつく感触にドキッとなった。

晴翔の腹筋、二の腕、鎖骨。


「そっちだって反則だし」


つぶやく私。


「え?」


晴翔は聞こえてない様子だった。


「べーつに」


ほっぺたをふくらませると、


「そんな顔してたらキスするよー」

って晴翔。


嬉しいけど、ほっぺたをしぼませた。



「湘真くんと沙由奈どうなるかなぁ」


赤い顔の沙由奈と相変わらず優しそうな笑顔の湘真くんが歩いていく姿を見ながら聞いた。


晴翔は、

「うーん、どうだろう」

と、首を少し傾けた後しばらくして言った。


「でも...湘真は勘がいいから。たぶんわかっててここに来てるんだと思うけど?」

「え?そうなの?」


驚く私に晴翔は頷く。


と、その時...湘真くんがこっちを向いた。


ニコって笑ってⅤサイン...


「あれは、ぜったいわかってるわ」

晴翔が言った。
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