赤いりんごの青い果実

「今まで涼宮のこと、
地味でつまんなくて根暗なやつだと思ってたけど、話すと案外そうでもないのね」


『そ、そそうかな』


「なんで私の龍雅があんなやつと!って嫉妬心に駆られてあんた本人のこと、全然見てなかったかも」


『そうな…なるくらい、くち、朽木君のことす…好きなんだ、ね』

私はまだ恋をしたことがないけど…
誰かを想えるって、いいことだと思う


「まぁね。あたしさぁ、こんな外見じゃん?
男友達も結構軽いノリで相手してくれるんだけど
龍雅はなんていうか…
普通の女の子として扱ってくれるんだよね」


『や、優しいよね』


「そうなのよ。前に頭痛くて伏せてたら
大丈夫か?保健室行く?とか言ってくれたり
荷物持ってたら重いだろって、
さっと持ってくれたりとか
とにかくやっさしーの!」


『それは、わ、分かるよ』


「そんでしかもあの外見?
詐欺かっつーくらいだよね!
惚れないわけがないじゃん」


『う、うん』


「で、ほんとに好きじゃないの?」


『とと、友達…だから』


「っはーありえないわー
それでも女の子なわけ?
胸キュン!とかしまくりじゃん」



む…むねきゅん…ですか


< 161 / 200 >

この作品をシェア

pagetop