赤いりんごの青い果実


「…あれ、絵美じゃん
こんなとこで何してんの?」


「よっしゃ!助かった!
ありがと遠藤ー!これで帰れるー
じゃね、涼宮!」


早口でまくしたてると、
そのまま足早に出ていく仁摩さん


『ば…ばいばい』


圧倒されつつも言葉を発する




「…で、何してんの?
あと扉になんか箒が引っかかってたけど」


『あ…中からあ開けようとしたら
ひ…引っかかったみた、みたいで
そそそういえば開けてくれて…
あり、ありがと!』


「うわ、ずっと閉じ込められてたの?
誰かに電話すりゃよかったのに」


『に、仁摩さんが…その』


って喋ってるけど…この人、誰だろう

仁摩は知ってるみたいだけど
遠藤?って言ってたし



「あぁ、あいつが…どんまい
気ぃ強いからなー絵美は
まぁ俺、部活の道具取りに来ただけだからさ
出られてよかったね」


『う、うん!あり、がと』


これでやっと帰れるよ…
でも、おかげで仁摩さんと沢山喋られたから…悪いことだけではなかった、かな


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