振り返って、キス
「何してんだよ」
「あ、ふがっ!」
「うっ…!」
そんな声がしたと思ったら、何やら風を切り裂くような、
男たちが倒れて行くような音が聞こえてきた。
ぎゅっと瞑っていた涙が溢れる目を、うっすら開ける
…だれかは分からない。
涙で視界がぼやけているだけ。
「ぅはっ…!」
でも、私の体をおさえていた男が離れる
その代わりに、さっきとは違う温もりに包まれた
「きたねぇ手で触んじゃねぇよ」
私の真上から降ってきた声だ。