振り返って、キス




「何してんだよ」




「あ、ふがっ!」




「うっ…!」




そんな声がしたと思ったら、何やら風を切り裂くような、





男たちが倒れて行くような音が聞こえてきた。




ぎゅっと瞑っていた涙が溢れる目を、うっすら開ける




…だれかは分からない。




涙で視界がぼやけているだけ。




「ぅはっ…!」




でも、私の体をおさえていた男が離れる




その代わりに、さっきとは違う温もりに包まれた





「きたねぇ手で触んじゃねぇよ」




私の真上から降ってきた声だ。



< 19 / 67 >

この作品をシェア

pagetop