振り返って、キス
Γはっはっ…はぁっ」
何だか、訳がわからず校門まで走ってきた
Γあれ…何で…」
何で、走ったんだろ。
校門で立ち尽くしてしまっている。
このドキドキは、きっと走ったせいか。
いや、ほんとはそれだけではないはず
でも、走ったせいだと言い聞かせている自分がいる。
Γ待ってよ」
後ろから聞こえてきた声に、胸がドキリと高鳴ったのは
気づかないフリをした。
Γ星野…?」
火照る顔を少し落ち着かせ、笑顔をつくって振り向く
Γなに…?」
Γや、物凄い勢いで走ってったからさ…」
少し焦ったような表情を浮かべ、私の近くまで歩いてくる
Γ一緒帰らない?」
Γえっ」
急にかけられた言葉になんて返したらいいのか分からない
けど、断る理由もない…よね?
Γいや、俺も一人だし。駅も一緒っぽいし」
ね?と笑顔を浮かべる一条くんに、うん、と頷いてしまった。
Γ帰ろっか」
彼がスタスタと歩き出して、慌ててその後ろを追いかけた