あのね、先生。-番外編-
「ねぇ、蓮くんどう思う?」
「どう思うって…あぁ、中村先生と吉野先生のこと?」
「うん、上手くいくかな?」
蓮くんが持って来てくれた荷物の中から水着を出して、小さなカバンに詰める。
ほんとは今日の海よりも、中村さん達のことが気になって仕方ない。
「どうだろうね。中村先生次第だと思うけど、時間の問題じゃない?」
蓮くんも同じようにあたしの隣で水着を出してカバンに詰める。
いつもみたいにふにゃんとしながら話してるけど、時間の問題、という言葉が気になって思わず蓮くんを見た。
「んふふ、そんなにビックリする?」
「だって…中村さんに彼女が出来るなんて想像出来ないんだもん。それに、相手は吉野先生だよ?中村さん多分苦手だったんじゃないかな」
あたしは吉野先生のことをよく知らないけど、多分蓮くんはあたしよりも長い時間一緒にいるから分かってる。
あの人がどんな人で、中村さんがあの人のことをどう思ってるか。
「今も苦手かもしれないね」
「え?そうなの?」