あのね、先生。-番外編-

「深くないといいんだけど」

「大丈夫だよ、ほんとに」

海の家の横にあった建物の中に入ると、そこにいた人たちはあたしの足を見るなり痛そうな顔をした。

「あら、どうしたのこれ」

多分お母さんくらいの年の女の人が近寄ってきて、傷口を見る。


「ガラスの破片踏んだみたいで」

あたしの代わりに蓮くんが答えて、座敷になったところに降ろしてくれた。

「まずは洗わなきゃね」

幸い、傷口に破片は残ってないらしい。

足の裏ってとこが不便だ。

これじゃ今日1日でも歩くのに一苦労なんじゃない?


「心配しなくても、そんなに深くないみたいね。濡れてるとたくさん血が出てるように見えるのよ」

その言葉を聞いて、蓮くんはようやくホッとした顔を見せた。

「ちょっと染みるけど、我慢ね」

消毒をしてもらって処置をしてもらって、そこに梨花達が来てあたしと蓮くんはそれぞれ着替えに行くことになった。
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