俺様紳士の恋愛レッスン
優愛さんは鞄から鍵と思われる銀色を取り出し、微笑む。

それに対して十夜は、私の知らない、優しさに満ちた笑みを返した。



別に、人を好きになることは自由だ。

色んな愛のカタチがあっていいと思う。

人様の恋慕に他人が口出しするのも、違うと思う。



……分かっている。

分かっているけれど。



「不倫はよくないと思います!!」



道路を挟んだ向こう側。

叫びを受けた2つの背中が、ゆっくりとこちらに振り返る。



「……個人的に、ですが!」



叫んだ勢いをそのままに、このまま行かせてたまるものかと、二人の元にズンズンと歩み寄る。

しかし内心はビビりまくりで、狂ったように脈打つ鼓動を悟られまいと、睨みつけるような視線を十夜に向けて、意地でも逸らさなかった。



「エン」



今までで一番低い警告音に、身の危険を感じた本能が歩みを止めた。

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