俺様紳士の恋愛レッスン
「今日はパスタにするかー」と、独り言を呟きながら歩いていると、道路を挟んだ向こう側に見知った2つの背中を見つけた。

1つはスラリと細いチャコールグレー、そしてもう1つは、女性らしい華奢なシルエット。



「……なんで、十夜と優愛さんが……」



こんな時間に、スーパーの袋を抱えて、仲睦まじく歩いているのだろう。


重い袋を2つ男性が持ち、1番軽い袋を女性が持つ。

傍から見れば、疑う余地のないほど様になった夫婦の図だった。



「……まさか」



嫌な想像しか浮かばない。

心臓の鼓動は不快に早まり、気が付けば二人の背中を追っていた。


そうであってほしくないという切実な願いは、程なくして打ち砕かれる。

二人が入って行ったのは、お洒落なデザイナーズマンションの入り口だった。

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