俺様紳士の恋愛レッスン
「篠宮さん、大丈夫ですか?」

「あ、はい、大丈夫……」

「あ? 何でお前ら顔見知りになってんだよ」

「それは後で説明するから……」



そうお茶を濁した優愛さんは、私に向き直ると、申し訳なさそうに眉尻を下げる。



「誤解させてしまってすみません。でも違うんです」

「え?」

「不倫じゃないんです……」



優愛さんは、斜め後ろで不機嫌に腕を組む十夜に視線を送った。

けれど十夜はそっぽを向いたまま、何も言わない。



「その……あの……」



優愛さんは躊躇い、口籠もりながら、やがてか細い声を落とす。



「十夜くんは、私の夫の弟……つまり、私の義理の弟なんです」

「……へ?」



あんぐりと開けた口からは、見た目通りの間抜けな音が出た。

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