俺様紳士の恋愛レッスン
最後の試合を終えて、私達は屋外にあるバスケットコートの隅に座り込んだ。

西日は影のゴールを象(かたど)り、賑やかだった声は侘びしく散る。



「あと何分?」

「20分、だな」



十夜は胡座をかき、バスケットボールを抱えて座る。


手を伸ばせば届く距離。

私たちはコンサルタントとクライアントという関係でありながら、今、個人空間を共有している。



「十夜なんでも強いとかズルいー。バスケくらい勝ちたかったなぁ」

「生憎俺は手加減しねーし、飴(あめ)もやらねーよ。ひたすら鞭(むち)と鞭だ」



今日の十夜はよく笑う。

今のように少し意地悪な笑顔も、試合中の無邪気な笑顔も、微量の優しさを含ませた笑顔も、この3時間弱で沢山見てきた。


それまで頑なにクールな対応だった分、自惚れる。

少しは心を開いてくれたのかもしれないと。

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