俺様紳士の恋愛レッスン
「お前は狙いが悪いんだよ」

「え?」



十夜はこちらにやって来ると、私にボールを手渡し、斜め後ろに立った。

そして目線の高さを合わせるように上体を折り、ゴールを指差す。



「リングを狙うな、ボードの四角の中を狙え。いいな?」

「わ、分かった……!」



顔を覗き込む十夜の視線は真剣で、急に緊張を覚えた私は大袈裟にぐるんと前に向き直る。

そして再び長く息を吐き、意を決してボールを放った。



「入れッ……!」



2度目の祈りを受けたボールは、バンッと音を立ててボードに当たり、スパッと爽快にネットをすり抜けた。



「――入ったぁーッ! すごいッ、十夜すごいッ!」



興奮した私が十夜の腕を掴み、ブンブンと揺すると、彼は呆れたように笑う。



「よかったナ。で、俺は何をすればいいワケ」

「へ?」



何が、と一瞬考えて、はたと思い出す。

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