俺様紳士の恋愛レッスン
翌日、慣れ親しんだ駅前のロータリーで、足早に交差する人の流れを眺めていた。

クールビズが始まり、Yシャツにノーネクタイ姿のサラリーマンが目立つ。



「よぉ」

「……お疲れ」



斜め後ろから現れた十夜は、今日もチャコールグレーの背広を羽織っている。

季節にも動じないクールな表情は、今日も健在だ。



「行くぞ」

「うん。あの、大事な報告があります」

「ドーゾ」



意味深に言ってみても、やはり少しも動じないのだから、悔しい。

今日ここで私が話を持ちかけることも、予想通りだったに違いない。



「タカちゃん、私の気持ちが離れてることに気付いてた」

「そうか」

「それから最近、連絡を取ってる男の人がいるってことも」



本当は『気になってる人』が正解だけれど、張本人である十夜には言えるはずもない。

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