俺様紳士の恋愛レッスン
「ご、ごめん。その、テンパっちゃって……」

「そういう時のための俺だろ」

「え?」



十夜は私を静かに見下ろし、無表情のまま言い放つ。



「お前は俺がいないとダメなんだよ」



そう言って、呆ける私は知らんぷりに、スタスタと歩いて行った。



「――えぇッ!?」



なに、その少女漫画から引用してきたような台詞は!と、慌てて十夜の腕を掴む。



「どーゆー意味!?」

「まんまだろ。バカなお前には指導してやる人間がいないとダメだっつーことだ」

「はぁ!? な、なら最初からそう言ってよね! 勘違いするじゃん!」

「勘違い、ねぇ……」



十夜はニヤリと口角を上げると、私の手首を掴んでグイと引き寄せる。



「俺の言いつけを守らなかった罰だ。ザマミロ」



間近に寄せられた眉間のしわを見て、今の十夜は不機嫌なのだということを知った。

< 189 / 467 >

この作品をシェア

pagetop