俺様紳士の恋愛レッスン
「やっ、やっぱ報告しなかったこと怒ってんじゃん!」

「別に、怒ってねーけど?」



そう言って緩やかな笑みを見せる十夜に、かぁっと頬が熱くなるのを感じた。



「からかうとか、ホント性格悪いッ!」

「そもそも悪いのはお前だろ?」

「――ッ!」



たちが悪すぎる。

好きになるなと言っておきながら、こんな嫌がらせをするのだから。



「つーか、プロポーズか……」



十夜は私の腕を解放すると、僅かに明るさの残る紺青の夜空を見上げた。



「まぁ、それは半ば勢いだったみたいで。本当に言いたかったのは、今回の展覧会がダメだったら画家を諦めて働くってことだったみたい」

「そうか。で、揺れたんだな?」



断定的に問われ、何も言えずに視線を逸らしてしまった。

例え否定したとしても、十夜には嘘だとすぐにバレてしまうだろうから。

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