俺様紳士の恋愛レッスン
「昔の十夜はもっと感情的なヤツだったんだよ。寧ろ感情剥き出しで手に負えないくらい」

「え!?」



十夜が感情を剥き出しに?

うーん、と頭を捻ってみても、想像すら浮かばない。



「十夜に感情をコントロールする術を教えたのは木崎だけど、それはあくまでもビジネスの範疇であって、そもそも十夜から感情を奪ったのは俺だから」



そう、自嘲を含ませて笑う遠山さん。



「十夜は父親とその愛人の間に出来た子でね。そのせいで十夜は小さい頃から苦労してきたから、本妻の子である俺のことは相当憎んでたと思うよ」

「そうなんですか……」



こんなプライベートの奥底にあるような話、聞いてしまっていいのだろうかと思う反面、貪欲な私は次の言葉を待っている。



「そういう環境のせいか、十夜は他人への関心がなさすぎて、特定の彼女もつくったことがなくてね。そんな十夜を変えたのが優愛だったんだ」



懐かしさを慈しむように、遠山さんは水平線のネオンを見つめた。

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