俺様紳士の恋愛レッスン
「ぷっ」

「あ? お前なに笑ってんだよ」

「いや、だって……」



『照れ隠しにすぐ睨むし』という遠山さんの言葉通り過ぎて、何だか可愛く思えてきた。

すると十夜は更に機嫌を損ねたのか、乱暴に缶を取り出すと、再び小銭を投入する。



「いいか、誰にも言うなよ」



そう言って私をちらりと睨みつけ、こっちに来いと手招きした。



「口止め料だ、選べ」

「缶ジュース1本って、安ッ! てゆかその言い方、お願いされてる気がしないんですけどー?」

「あ? なんで俺がお前に謙(へりくだ)んなきゃなんねーんだよ。お前は黙って俺の言うこと聞いてろ」

「ぷっ! 十夜ってばジャイアンみたい!」

「……」



如何にも不機嫌そうに目を細める十夜。

私はそれを上機嫌に見上げつつ、オレンジジュースのボタンを押す。

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