俺様紳士の恋愛レッスン
「で、本当に他には何も聞いてないんだな?」

「ホントだって!」



その後、食事会はお開きとなり、木崎さんから『送り届けろ』と業務命令を受けた十夜と二人、人気のない夜道を歩く。


「何を聞いた」と詰め寄る十夜に、上手く嘘がつけない私は聞いたことのほぼ全てを白状した。

それでも十夜は眉間にしわを寄せたまま、私の半歩先を歩く。



「勝手に聞いちゃってごめんね」

「別にお前は悪くない」

「でも怒ってるし」

「だからお前には怒って……あぁーッ」



十夜は綺麗にスタイリングされた後ろ髪をガシガシッと掻くと、道の脇に佇む自動販売機へと歩み寄った。

そしてガコンと音を立てた取り出し口の前に座り込み、暫しの沈黙の後。



「……かっこわりーだろ」



淡く頬を染めて、私を睨みつけるように見上げた。

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