俺様紳士の恋愛レッスン
「私がブラック嫌いなの知ってたの!?」

「甘い酒を好むやつは大抵コーヒーも甘いものを好む」

「うわ、やっぱ性格悪ッ!」

「元はといえばお前が悪い」



十夜は空いている片手で器用に私の顎を持ち上げると、先程までの恥じらいなど微塵にも感じさせない余裕の笑みを、真上から落とす。



「俺の言いつけを守らなかった罰だ」



――忘れていた。

あくまでも彼の表面はこちらで、可愛い彼は裏面のレアキャラなのだと。



「あれ、篠宮サン。顔が赤くなってますけど?」

「ちょっ、それ以上顔近付けないで!」

「あぁ、心臓が止まるんでしたっけ。それは大変ですねぇ?」

「このッ……、離して!」



十夜の手首を掴んで抵抗するけれど、先程の仕返しだと言わんばかりに、力を緩めてはくれない。

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