俺様紳士の恋愛レッスン
「タカ、ちゃん……」

「エンちゃん、大丈夫?」



驚きの余り言葉を失う私を見て、タカちゃんはきゅっと目を細めると、今度は十夜へ視線を向ける。



「誰ですか、あなたは」



それは初めて見る、タカちゃんの怒り。

怖いと思ってしまった私は、無意識に十夜の陰に隠れるように後ずさる。

するとタカちゃんははっとして、口を開くけれど。



「ひとまず、手を離して頂けますか」



眉尻を少し下げた十夜の、丁寧なビジネス口調がタカちゃんを制止した。


腕を解放され、自由になった十夜は、背中に隠れる私にチラリと目配せすると、私の腕を掴む。



「――えっ」



同時に身を翻(ひるがえ)し、一瞬にして私を腕の中に取り込んだ十夜は、耳元で囁く。



「作戦変更だ」



続けてゼロ距離から落とされるのは、不敵な笑み。



「今だけ俺を好きになれ」

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