俺様紳士の恋愛レッスン
「てか十夜、いい加減離してッ」

「離したらまた暴走するだろ」

「もう大丈夫ッ! それに万が一こんなとこ優愛さんに見られでもしたらまずいんじゃないの!?」



と、私が強気に出た途端、全身の拘束が解かれた。

注がれる光に目を細め、背中から逃げていく熱を追って振り向けば、十夜は私に背を向け、手で顔を覆っていた。



「……やっぱ優愛さんに見られたくないんじゃん」



優愛さんのことを完全に諦めたのではないかという期待混じりの憶測は、見事に散った。



「ちげーよ、そっちじゃねぇ」

「そっちって何よ。ただの照れ隠しのくせに!」

「だからちげーっつってんだろ。俺が見られたくねーのは旦那の方だ」

「は? 何で遠山さん?」



十夜は私の問いに答えることなく、辺りをキョロキョロと警戒し始めた。

珍しく動揺している様を見て、やはりただの照れ隠しだという疑念は払えない。

< 246 / 467 >

この作品をシェア

pagetop