俺様紳士の恋愛レッスン
溜め息混じりの呟きには、自嘲的な苛立ちが垣間見える。

音でしか感情の情報を拾えないけれど、十夜の目は不機嫌に細められてるに違いない。



「いいか、俺がお前に教えたことをもう一度よく思い出せ。俺がお前に教えたかったことは何か、よく考えろ」

「わ、わかった……!」



グッと近くなった十夜の声に、全身が痺れるように疼く。

後頭部に十夜の顔が触れるほど、密着した距離。



「それでも分からないなら、全て終わったら教えてやる。それなら正攻法だからな」

「せーこーほーって何ッ」

「お前どんだけ日本語不自由なんだよ」



小馬鹿にするように笑った十夜。


ようやくこの体勢にも慣れてきたけれど、傍から見れば、私たちは公園でいちゃつくただの公害カップルだ。

けれど現実は、私は目を隠され、拘束され、どう考えても人質の図。

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