俺様紳士の恋愛レッスン
「鳴ってる?」

「ううん、マナーモードだから聞こえないかも……。やだ、どうしよう!」

「落ち着いて。鳴らし続けるから、とりあえずデスク周り探そ」

「うん、ごめんね萌」



招待状代わりのDMや地図などは、全てスマホに保存している。

つまりスマホがなければ、展覧会に行くことは出来ない。


どうしてトラブルというものは、大事な時に限って起きるのだろう。

焦る気持ちが必死に身体を動かすけれど、デスク周りが散らかるばかりで、一向に見つからない。



「どうしよう、萌!」

「どうもこうも、探すしかないでしょ!」

「篠宮、スマホなくしたのか? 俺も手伝うぞ」

「室長! すみません、本当にすみません!」

「あのぅ、僕も……」



普段はどんな会話にも我関せずな茅野さんが、控えめに手を挙げる。

相変わらず目線は無愛想にパソコン画面に向いたままだけれど、皆の優しさに感極まって、思わず視界が潤む。

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