俺様紳士の恋愛レッスン
どうしてこうなるのか。

正々堂々向き合おうとしているのに、どうして神様は意地悪をするのか。


泣きたい気持ちを必死に奥へと押し込んで、再び皆が待つオフィスへと戻った。



「なかったです……」

「ゴミ箱は綺麗でしたか? ゴミが溜まっていましたか?」

「えっ? えと、確か空っぽでした」

「では管理室へ行って下さい」

「わっ、分かりました……!」



茅野さんの次なる指令に、縋る思いでオフィスを飛び出した。



「すみません!」



扉を割るように現れた私に、管理人のおじいさんは真ん丸に目を見開いてこちらを見る。



「私のスマホッ、届いてませんか!?」

「すま……? あぁ!」



おじいさんはどっこらせと腰を持ち上げると、私の前までやってくる。



「これかい?」



そして満面の笑みを浮かべながら、探し求めていたそれを差し出した。

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