俺様紳士の恋愛レッスン
手早く受付を済ませると、淡い黄色の光に包まれた空間に通された。

クーラーが効いた10坪程のスペースには、それぞれの芸術家に想いを託された作品が点々と並べられている。



「彫刻、油絵、生け花なんかもあるんだね。素敵」

「うん。主に顧客や関係者向けの展覧会だからね。作品は自由だよ」

「タカちゃんは今回も水彩画なの?」

「うん。僕は水彩画一筋だよ」



タカちゃんの作品には、柔らかな人柄がとてもよく出ている。

抽象的な淡い色彩の中に、強く凛とした色を1つ落とすのが最大の特徴だ。


以前はよく、タカちゃんの作品を観に展覧会に足を運んでいた。

いつからかあまり行かなくなってしまったけれど、私はタカちゃんの描く世界観が大好きだった。



「あ、これ売約済みだ」

「気に入った作品はその場で買えるからね」



とある油絵のタイトルの上に貼られた『売約済み』の赤い札を眺める。

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