俺様紳士の恋愛レッスン
「単刀直入に聞く」



十夜に連れて来られたのは、小さなパチンコ店の立体駐車場。

疎(まば)らに車が停められている駐車場の隅に、十夜のバイクは停められていた。



「泣いてる理由は何だ」



涙腺が崩壊してしまった私の頬を、十夜の両手が掴んで無理やり顔を上げさせる。

きっと、十夜は私の答えを知っている。



「方、つけられなかった……」



その証拠に、私の答えを聞いても尚、十夜の表情は少しも変わることなく無のままだ。



「そうか」



頬からその手が離された。

後ろに下がり距離を取った十夜は、私をまっすぐ見据え、口を開く。



「俺の力量不足だ。悪かった」



紡がれたのは、感情を殺したビジネス仕様の声だった。

途端に胸に鋭い痛みが走る。

< 270 / 467 >

この作品をシェア

pagetop