俺様紳士の恋愛レッスン
「……はっ……んンッ」



頬から片手が離されて、今度は強く腰を引き寄せられた。

私を覆うように十夜の体温が重なって、全身の熱を上げていく。


貪るような熱いキスは、ほんのりと雨の味がする。

それは音を立てて、一向に止む気配を見せない。


苦しくて、泣きたくて、ほんの少しだけ怖いのに、胸を押し返していたはずの私の手は、ワイシャツを強く握って引き寄せる。



「と……やぁ……」



もっと欲しいだなんて。

こんなキス、私は知らない。



「黙れよ」



乱れた呼吸に混じる、低い囁き。

角度を変えて、心までもを吸い取るように、繰り返される激しい愛撫。


溺れそうな心地に、やがて意識を手放そうとした時。

大きく淫らな水音を立てて、熱がゆっくりと離された。

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