俺様紳士の恋愛レッスン
「――ッ!」



ドンッ、と胸を叩いても、離れない十夜の身体。

頬を拘束する手が、私に逃げることを許さない。



「……ふッ……ぅ」



呼吸を欲しがる私の唇が微かに開く。

それを待っていたかのように、唇よりももっと熱い感触が私の中へ入ってくる。



「――んンッ!」



酸素も、意識も、冷静も、感情も。

全てを強引に奪うような、熱いキス。


辛うじて薄目を開ければ、艶に濡れた黒髪から熱を帯びた瞳が覗く。



「足んねぇよ」



不意に離された唇。低く囁かれた声。

黒髪から雫が1つ流れて、私の頬に落ちるのを合図に、再び唇は塞がれた。

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