俺様紳士の恋愛レッスン
「そういえば、例の片柳さんが伝えたかったことについての件、昨日ずっと考えてたんだけど」

「何か分かった!?」

「分かったような、分からないようななんだよねぇ」



萌はオフィスチェアの背もたれをぎしぎしと鳴らしながら、腕を組んで天を仰ぐ。

その姿は探偵を通り越し、さながら手練の女刑事だ。



「私は片柳さんの『デキる男』の部分しか知らないからさ。エンの言う性格の悪い片柳さんは想像もできないわけよ」

「まぁ、ほぼ二重人格だからね……」

「だから確証がないというか、いまいちピンとこないというか」



曖昧に言葉を濁すのは、その答えが私に変な期待を持たせてしまう内容だからだろう。



「誰かいない? エン以外に片柳さんの表も裏もよーく知ってる人」

「そんな人――」



と言いかけて、とある人の顔が浮かんだ。

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